国内ではまだ普及が少ないカームダウンスペースですが、空港内にはカームダウンスペースが設置されていることが多くなってきました。
とはいえ、新千歳空港も広いので、いざの時にカームダウンスペースを探すのは大変です。
悲しいことですが、国内だとカームダウン自体の認知度がまだ低いので、利用する側が事前に空港の施設マップや、施設の対応を把握しておいた方がスムーズに進みます。
なのでこの記事でカームダウンスペースの設置場所を確認して事前に動線を考えておきましょう。
この記事では、以下の内容を解説していきます。
新千歳空港内のカームダウンスペース設置場所は
新千歳空港のカームダウンスペースの使い心地について
新千歳空港がカームダウンスペースを設置したときのX(旧Twitter)の反応
新千歳空港事務所の施設部へのインタビュー
他の国内空港のカームダウンスペースは?
海外ではスタンダードなセンサリールームとは?
この記事を読み終えると、新千歳空港のカームダウンスペースの設置場所が分かるのはもちろん、使い勝手も分かります。
また、他の空港のカームダウンスペース情報もありますので、到着した先の動線も考えておくことができます。
海外に到着する場合はセンサリールームが主流なので、利用する際の注意点も書いてありますので最後までご覧くださいね!
新千歳空港内のカームダウンスペース設置場所は
新千歳空港のカームダウン・クールダウン室は全部で4室です。
1F空港ロビーのセンタービルに1室あります。
2F19番ゲートと101番ゲート付近の2ヶ所です。
3F更衣室内(車いす用更衣室と兼用)
新千歳空港のカームダウンスペースの使い心地について
新千歳空港のカームダウン・クールダウン室の設置場所については、他の公共交通機関から移動してくる動線上でありながらも、他者からの視線を感じずらい場所を選んだそうです。
とはいえ「端っこすぎると気づいてもらえないが、目立つ場所だと騒がしくなってしまう」というジレンマがあります。
この問題は、どこの空港も悩みの種となっています。解決するには、周りの人達の理解や認知が必要だと感じています。
新千歳空港のカームダウン・クールダウン室の出入り口はロールカーテンを採用しており、外からの視線を遮りながらも使用中と分かるように、ロールカーテンを閉じた状態でも、床との隙間が40cmだけ開くようになっています。
内部に入ると、外部からの音を抑えつつも搭乗アナウンスが聞こえるように吸音パネルが設置してあります。
この吸音パネルがアイキャッチャーの役割を果たすように優しいデザインのものを採用しています。
また車いすユーザーが入っても中で旋回しやすいようにレイアウトしているとのことでした。
新千歳空港がカームダウンスペースを設置したときのX(旧Twitter)の反応
新千歳空港は2023年3月30日にカークダウン・クールダウン室を設置し公式X(旧Twitter)でアナウンスしたところ、かなりの反響がありました。
そのポストが以下です。
新千歳空港では、知的・精神・発達障害、自閉症、認知症、感覚過敏等の症状をお持ちのお客さまが、空港という非日常的な空間から生じる不安や緊張を少しでも緩和させ航空機をご利用いただけるよう、カームダウン・クールダウン室を設置・運用開始いたしました。(3月20日運用開始、予約不要・無料) pic.twitter.com/VS1dGsFuJ9
— 新千歳空港/New Chitose Airport (@hap_chitose) March 30, 2023
約6 ,000のいいね、約3,000のリポスト、15件のコメントが寄せられています。
フォロワーが1.6万人の新千歳空港の公式アカウントでは異例のバズり具合と言えます。
ほとんどが、設置を感謝する意見ですが、改善につながるような大切な意見もありましたので紹介しておきます。
素晴らしい。リラックス目的なので威圧的な黒の模様はいらなかった気がする。(模様入れるなら色は同じのままにするなど)
— 伝書なめこ (@namekonosubako) April 1, 2023
先ほど紹介した吸音パネルについてです。
たしかに黒色は無い方がリラックス効果がありそうですね!
あちらこちらにあってすぐにお世話になれるようになったらいい。素敵な取り組みですね☺️
— みくちひひな (@mikutihihina) April 1, 2023
ただ本当に必要としない方が入ってしまわないか気になります。
閉鎖空間ですので、このあたりも気になりますね!
目的以外で使用されないようにするには、周りの人に認知してもらう必要が不可欠です。
なので、オリンピックに向けた2020年にはカームダウンについてのピクトグラムを策定し、認知度を上げる取り組みを行なっています。
詳しい内容は以下の記事で紹介していますので、参考にしてください。
新千歳空港事務所の施設部のコメント
新千歳空港のカームダウン・クールダウン室は、道内7つの空港を運営する北海道エアポートの新千歳空港事務所の施設部が管轄しています。
担当者の方のコメントを載せた記事がありましたので、引用させていただきます。
- 設置するきっかけは?
- 2022年に有識者との会議により、カームダウン・クールダウン室がないこと自体がバリアになっていることから。
公共的な施設こそ、率先して設置すべきだと感じています。
- 設置した時の思いは?
- 空港という非日常的な空間でも緊張や不安を少しでも緩和してもらい、ご家族と一緒に空港機を利用してもらいたい。
- 他の空港での設置について、どのように感じますか?
- 機能としては、まだまだ検討が必要ですが、まずは多方面から周知をしてもらうことが重要。少しでもバリアが解消したと感じてもらえれば嬉しいです。
- 設置場所の基準は?
- 他の公共交通機関からの移動の導線上であり、他者からの視線を極力感じずにいける場所を選んだ。
- X(旧Twitter)での反響について
- 公共性の高い施設を中心に、見た目では分かりにくい障害をお持ちのお客様への対応が必要不可欠だと感じた。
引用:まいどなニュースより
- 今後のカームダウン室について
- まだ認知度が低いが、今後は重要性は増してくると感じている。
なぜなら、一般的に健常者とされる人の中にも、周囲の音が聞こえすぎてしまう人や人混みにいると過度に疲れてしまう人のような「感覚過敏」症状がある人も多いからです。
他の公共施設でも整備が進み、もっと一般的な設備として認識してもらえるようになると良いと思います。
他の国内空港のカームダウンスペースは?
国内の空港にはカームダウン・クールダウン室の導入が徐々に広まってきています。
新千歳空港以外の空港にあるカームダウン・クールダウン室の場所を把握しておけば、到着したときにスムーズに行動できるようにあらかじめ動線をイメージしておきましょう。
きっかけは2020年の東京オリンピックです。海外の方が多く入国されることを予想し世界に恥じない日本としてカームダウン・クールダウン室の設置が行われました。
ですが海外、とくに欧米ではセンサリールームやスヌーズレンという習慣がスタンダードです。
X(旧Twitter)でもセンサリールームのような部屋の方が気兼ねなく利用できるので、そっちを導入して欲しいという意見もあります。
海外ではスタンダードなセンサリールームとは?
センサリールームは、音や光、ニオイなどの五感の刺激が少なくなるように設計されている部屋です。
他にも、オランダ発祥で光や音、匂い、振動、触覚などを感じながら障害を持つ方自身が好きなように過ごすスヌーズレンという習慣があったり。
ニュージーランドやイギリスをはじめ各国に広がりつつあるクワイエットアワーという習慣もあります。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
新千歳空港のカームダウン・クールダウン室の場所を把握しておこう!
この記事では以下の内容を解説してきました。
新千歳空港内のカームダウンスペース設置場所は
新千歳空港のカームダウンスペースの使い心地について
新千歳空港がカームダウンスペースを設置したときのX(旧Twitter)の反応
新千歳空港事務所の施設部へのインタビュー
他の国内空港のカームダウンスペースは?
海外ではスタンダードなセンサリールームとは?
まだまだ課題は多いように感じますが、全ての課題は第3者に知ってもらえば解決できるように思います。
とにかく今は認知度を高めて、少しでも多くの人に現状を知ってもらえると嬉しいです。
感覚過敏が一つの個性として認知され、周りの人の優しさや親切心があればみんな幸せに過ごせるようになります。
感覚過敏の人、そうでない人、どちらも共通の認識を持てる日が来ることを願っています。