国内ではまだ普及が少ないカームダウンスペースですが、空港内にはカームダウンスペースが設置されていることが多くなってきました。
その中でも今回は羽田空港のカームダウンスペースについて解説していきますね。
とはいえ、羽田空港も広いので、いざの時にカームダウンスペースを探すのは大変です。
事前に羽田空港の施設マップでカームダウンスペースの場所を把握しておくだけでもスムーズに移動することができます。
国内だとカームダウン自体の認知度はまだ低いので、羽田空港スタッフがどれくらい認識しているのかを把握しておくと嫌な思いをせずに済みます。
この記事では、以下の内容を解説していきます。
羽田空港内のカームダウンスペース設置場所は
羽田空港のカームダウンスペースの使い心地について
羽田空港がカームダウンスペースを導入した経緯が素敵だった!
羽田空港はカームダウン以外でもバリアフリー対策が万全だった!
他の国内空港のカームダウンスペースは?
海外ではスタンダードなセンサリールームとは?
この記事を読み終えると、羽田空港のカームダウンスペースの設置場所はもちろんですが、使い勝手も分かります。
また、他の空港のカームダウンスペース情報もありますので、到着した先の動線も考えておくことができます。
それでは最後までご覧くださいね。
羽田空港内のカームダウンスペース設置場所は?
ちなみにマップ上でカームダウンスペースを表すピクトグラムは以下のマークです。
カームダウンのピクトグラムはまだ一般的に浸透していないですよね?これだと休憩室に間違われてしまいそうですが、今のところはコメントを添えることで理解してもらうようにするしかないようです。
そのあたりを深堀した記事は以下になりますので、興味ある方は是非ご確認ください。
カームダウンのピクトグラムを確認したところで、本題の羽田空港のカームダウンスペースの設置場所を紹介していきます。
羽田空港の第1ターミナルはJAL・日本トランスオーシャン航空・スカイマーク・スターフライヤーなどの国内線が運航しているターミナルです。
そんな第1ターミナルのカームダウンスペースは出発ロビーである2Fに2ヶ所に設置されています。
2F出発ロビーのA検査場付近で時計台1の近くと、17番搭乗口およびキッズコーナー付近にあります。
A検査場のカームダウンスペースは写真は、国土交通省の近畿運輸局資料にありました。
引用:国土交通省の近畿運輸局資料
羽田空港の第2ターミナルはANA・エアドゥ・ソラシドエアが運航しているターミナルです。
そんな第2ターミナルのカームダウンスペースも出発ロビーである2Fに2ヶ所に設置されています。
2F出発ロビーのA検査場の近くと、C検査場の近くです。
感覚過敏研究所というサイトに画像がありましたので、引用させていただきました。
引用:感覚過敏研究所
第3ターミナルは以前まで「国際線ターミナル」という名称でした。2020年に改名され第3ターミナルになりました。
第3ターミナルの出発ロビーである3Fにもカームダウンスペースが2ヶ所に設置されています。
147番搭乗口の近くと、110番搭乗口の近くです。
羽田空港のカームダウンスペースの使い心地について
静かにするための空間であるカームダウンスペースだからといっても、施設の端っこにあればよいというわけでもありません。
重要なのは利用者の動線に設置してあることです。ですが、動線上にあると他の人たちも行き来するので騒がしくなりがちです。
この矛盾を解決するには、日本全体がカームダウンについて理解を深めることがなにより大切です。
そのためには、空港施設以外でもカームダウンスペースを目にする機会が増えれば自然と認識されていくと思います。
羽田空港も始めは簡易的な設備からスタートしていますので、まずはある物でやってみる。という精神は大切だと思います。
今後は大阪万博にも設置が検討されているようですので、期待したいですね。
羽田空港がカームダウンスペースを導入した経緯が素敵だった!
羽田空港が初めてカームダウンスペースを設置したのが、2019年7月27日・28日です。
2日間開催されたサッカーの観戦イベントがきっかけでした。
その日は発達障害の子供たちを招待した企業の一つであるANA(全日本空輸)への協力としてカームダウンスペースを設置しました。
空港内にあるパーテーションや椅子を使った簡易的なものでしたが、事前に関係者に視察してもらい設置場所を決めたそうです。
大勢の人で混雑する出発ロビーや手荷物検査でストレスがかかる保安検査通過後など、安心が継続するように合計4ヶ所に設置されました。
引用:公益財団法人交通エコロジー・モビリティ財団バリアフリー推進部
この事例で、今後は特別支援学校の修学旅行といったイベントの規模に合わせて、臨機応変に対応していけることが分かったそうです。
また、イベントに参加した聴覚に感覚過敏の特徴があるお子さまへの配慮として、自動放送を自粛し「サイレントエアポート」としての環境も提供し、音声以外で情報提供を行うという新しい取り組みも行われました。
羽田空港は大きな組織でありながらも、お客さまのことを第一に考えて臨機応変に対応できるスタッフさんたちで運営されているのが素敵ですね!
羽田空港はカームダウンスペース以外でもバリアフリー対策に力を入れています。
羽田空港のバリアフリー対策が万全だった!
羽田空港がおこなっているバリアフリー対策は以下です。
- サービス介助士の資格を持つスタッフがお手伝い
- 車椅子の貸し出し(乗用カート・モビリティサービス)
- 駐車場の障害者割引(半額)
- 障害者専用停車スペース(車両)
- 多機能トイレの充実
この他にも、話し言葉以外でのコミュニケーションを希望するお客さま(発達障害や知的障害)とも円滑に会話ができるように空港案内に特化したコミュニケーションボードが案内カウンターに設置されています。
介助サービスを申し込む際の連絡先である、羽田空港ターミナルインフォメーションが記載されたカードを多言語化(日・英・中・韓)、ユニバーサルフォントと点字で作成し案内カウンターで配布されています。
これらの取り組みが評価され、英国のSTARTRAX社が実施する2020年国際空港評価のPRM対応部門で2年連続で1位を獲得しています。
他の国内空港のカームダウンスペースは?
羽田空港のカームダウンスペースの場所が分かったら、次は到着先の空港のカームダウンスペースも把握してスムーズな動線を確保しておきましょう。
内容は、現在執筆中です。もう少しお待ちください。
海外ではスタンダードなセンサリールームとは?
センサリールームは、音や光、ニオイなどの五感の刺激が少なくなるように設計されている部屋です。
他にも、オランダ発祥で光や音、匂い、振動、触覚などを感じながら障害を持つ方自身が好きなように過ごすスヌーズレンという習慣があったり。
ニュージーランドやイギリスをはじめ各国に広がりつつあるクワイエットアワーという習慣もあります。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
羽田空港のカームダウンスペースを事前に把握してスムーズに利用しよう!
この記事で紹介したように、カームダウンスペースの設置場所や設置個数が少ないのが現状です。
諸外国のようにカームダウンやセンサリールームが浸透するには、設置場所や使い勝手の感想を空港側にフィードバックすることが重要だと思います。
空港のラウンドスタッフも、実際に何に困っているのか?や、何があった方がいいのか?など情報が少なく困っている様子でした。
空港のスタッフさんは一流のホスピタリティをお持ちです。情報をフィードバックすれば自然と利用しやすい環境が作られるはずです。
そして、羽田空港をはじめとする「おもてなし精神とホスピタリティ」が国内の色々な施設に広がっていく日が楽しみです。